映画《PLANET OF THE APES/猿の惑星 あらすじネタバレ感想:突っ込みどころ満載
原題:Planet of the Apes
公開年:2001年
製作国:アメリカ
上映時間:120分
監督:ティム・バートン
評価:65
1968年『猿の惑星』の リメイクではなくリ・イマジネーション(再創造)だと監督がいう作品。猿が人間を支配する設定以外は異なったストーリーとなっている。
SFとしては面白いので軽い気持ちで楽しめる作品。
あらすじ
宇宙探査基地オベロン号では遺伝子操作により高い知性を備えたチンバジーたちを飼育していた。人間の代わりにまず先行して危険な任務に就かせる為の実験動物として飼われている。
あるときオベロン号の前方に突然磁気嵐が現れる。チンパンジーのペリクリーズを単独で磁気嵐へ向かわせるが、音信不通になってしまう。ペリクリーズを一番かわいがっていたレオ・デヴィットソン大尉は見捨てられず上官の許可を得ず勝手に後を追う。
しかしレオは磁気嵐に巻き込まれ未知の惑星へと不時着する。そこは猿が支配する世界で、人間は動物並みに扱われていた。レオは現地の人間と一緒に猿の軍団に捕らえられてしまう。
突っ込みどころ満載のネタバレ感想
何故チンパンジー?
宇宙でチンパンジーを実験的に飼うのは理解できる。宇宙での生命体への影響を人間の代わりに調べたりするのに有効だろう。しかし宇宙基地内がチンパンジーやゴリラの飼育場と化していて、違和感が。
いくら遺伝子操作で知能が高くなったとはいえ限界があるだろう。人間でも対応が難しい宇宙空間でのミッションをチンパンジーにやらせるとは。通常無人探査機やロボットを使うほうが効率的ではないだろうか。
磁気嵐でタイムスリップ?
磁気嵐に巻き込まれるとタイムスリップするようだ。宇宙は謎だらけだからそういうこともあるかもしれない。磁気嵐に遭遇するタイミングによっては大きな時間差が生じることもあるのだろう。レオが猿の惑星に不時着した時より千年も前に宇宙基地オベロン号は同じ惑星に不時着している。
しかし、レオが窮地に立たされた時、上空からチンパンジーのペリクリーズが神のように降臨したのにはタイミングが良すぎてあっけにとられた。あまりにもドンピシャ。
そして中から現れたペリグリーズは猿の惑星の猿たちから伝説の神の再来に見えるという。
圧倒的な猿への力のいれよう
この作品自体猿がメインだらか仕方ないが、猿と人間の力の入れようの差に歴然とした違いがある。猿は個性的なキャラが多数登場するのに、人間側はかなりキャラが薄い。
それにデイナはレオに気があるようだが、彼女の態度がいまいちはっきりしない。この作品の人間は喋れるのだから、もっと意思を伝えてもいいと思うのだが。
猿は饒舌だが人間は知能はあっても逃げ惑うばかりで自分から行動しようとしない。1000年かけて退化してしまったようだ。
猿たちに1000年間言い伝えられてきた伝説があったように、人間にはオベロン号の不時着から始まる伝説は生まれなかったのだろうか。人間側の伝説があれば作品にもっと深みが出ただろうに。
ラスト
このラストはどういうこと?再び磁気嵐が起きてレオはこの磁気嵐で元の時間戻れると勝手に思うわけだが、そこはいいとして、あまりよくないがここまで来たらもうしょうがない。うまい具合に元の時間に戻ったようだ。
小さなポッドで地球へ帰ろうとする。そして本当に帰ってしまった。ポッドで帰れるの?すると地球はセード将軍が支配していた惑星だった。これはどういうことだろう。
①レオが地球だと思ったのは本当は猿の惑星だった?
②それともレオはもとの時間に戻れず猿の惑星の未来に着いてしまった?
しかし、ポッドの時間表示はちゃんと過去に戻っていたのだが。
③地球はセード将軍に支配された?時間軸のズレ?タイムパラドックス?
まとめ
突っ込みどころはたくさんあったが、猿のメイクや動作、衣装など猿の世界観や文化はけっこう面白い。猿の軍団んやセード将軍の副官と元将軍のゴリラ同士の対決など迫力あるシーンも随所にあった。
SF的にはあまり深く細かく考えず、軽く見て楽しむにはいい作品だと思う。