アンモの映画日和

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映画《紀元前1万年》あらすじネタバレ感想:面白くなりそうでならなさそうで

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 精神的にまだ未熟な青年が複数の部族を率いて、捕らえられた仲間たちを救出する成長物語。行く手には過酷な自然と想像を絶する人間を餌としか見ない生き物が待ち受ける。

作品情報

原題:10000BC

公開年:2008年

製作国:アメリカ、ニュージーランド

監督:ローランド・エメリッヒ

上映時間:109分

評価:60

登場人物

デレー: 主人公。ヤガル族の青年。

エバレット: 青い目の少女。

ティクティク: ヤガル族。デレーの父がいなくなった後、デレーの後見人になる。

バク: ヤガル族の少年。

カレン: デレーのライバル

巫母: 不思議な力を持つヤガル族の巫女的存在。

あらすじ

 舞台が紀元前1万年という途方もない昔々の物語。この物語はヤナル族の青年デレーの成長物語だ。

 精神的にまだ未熟なデレーが図らずも父のたどった旅路と同じ道をたどることになる。後見人のティクティク、ライバルのカレンそして少年バクの4人ではるかかなたの南方を目指す。4本足の悪魔に攫われたヤガル族の仲間とエバレットを助ける為に。

ネタバレ感想

良かったところ

 見ていると続きが気になってくる。だいたい先の予想はできるのだが、それでも次の展開はどうなるだろか、何が出てくるだろうかと。

 マナク(ヤガル族はマンモスをマナクと呼ぶ)を狩るシーン。昔見たの「はじめ人間ギャートルズ」のように集団でマナクを追いかけ銛で突き刺して倒すのかっと思ったら、ちゃんと作戦があったのだ。そこまで原始的ではなかった。
 なるほどヤガル族が集団でマナクを狭路へ追い込んで、別の仲間が崖上から巨大な網を狙いをつけた一頭にかぶせる。マナクは網に絡まり倒れたところを全員で打ち取るというものだ。これならうまくいきそうだと思ったが、いつもそううまくいくとは限らない。網と引きずって逃げ出してしまった。

 南の大地では巨鳥に襲われたり、サーベルタイガーを救ったりと、攫われた部族の若者たちの後を追うデレー達の長い旅路が面白い。南下するにつれて景色が変わり気温も上がり始める。極寒の地から灼熱の太陽が照り付ける地へと激変する環境にも適応できる人類はすごい。

 今まで見たこともない生き物。この時代の人類は生命の頂点ではなかった。まだ人類は地球上の動物の一つの種類でしかなく、人間を狙う獰猛な生き物も存在していた。安心して生きていける環境はなかったのである。長い旅路では常に危険と隣り合わせで絶えず周囲を警戒していなければならなかった。

 そして初めて出会う南方の部族。どれもアフリカ部族のようだがそれぞれ部族によってが出ていて面白い。

 ヤナル族の居住地は現在のドイツあたりだろうか。デレー達の旅路はアンデス山脈を越えてエジプトのサハラ砂漠を縦断したのだろうか。想像が膨らむ。そしえ南方の部族はすでに農耕を始めていた。狩猟生活から農耕生活への過渡期だ。紀元前1万年前、時代考証は合っているのだろうか。

残念なところ

  野生動物が少なすぎだろう。出てきたのはサーベルタイガーと巨鳥、そして遠方にカモシカの群れ。いくら何でもあれだけ長い旅をしながらたったこれだけとは。登場人物に今一つ魅力が感じられないのだから野生動物でカバーしないと。

 どの登場人物も感情の表現が少ない。
 なのでいまひとつ感情移入できない。唯一バクとアフリカ部族の少年の友情が芽生えたシーンだけがよかった。
 デレーとカレンがエバレットと部族を率いる立場を賭けて争うシーンもお互いライバル感が少ない。もっとむき出しの若者らしい感情表現はできないのか。

 デレーの父親の使命が今一つはっきりしない。ヤナル族の長に選ばれていながら、部族の為に南の地へ旅立ったが、あてはあったのだろうか? 
 ヤナル族がまだ狩猟民族で農耕は始まっていない。デレーの父親は農耕が始まっている部族の噂でも聞きつけてその種でも貰いに旅立ったのだろうか?

  各部族たちがデレーを伝説の人物だと理解したから彼に従って神のいる地へ向かうのは分かるが、あまりにもあっさりと従い過ぎだ。もっと反抗的な部族もあってよっかたのではないか。

 エバレットの手の甲“しるし”ができたのは隊長が鞭打った傷跡というのがなんとも。それじゃ隊長が鞭打たなければ“しるし”もできなかったわけで、それよりもエバレットに生まれながらのアザか何かがあった方がよかったのでは。神秘的な言い伝えが各地に残されているのだから、その証拠となるものは人為的なものでは変だろう。

 エバレットの命が助かった説明が不十分。巫母がはるか遠い地で身代わりになったようだが、後ろから弓矢で刺された絶命したエバレットを生き返らせるにはいくら奇跡が起きたと言えどももう少しその奇跡が起きた状況を説明してほしかった。

 結局青い目の子供は出てこなかった。デレーとエバレットの間に青い目の子供が生まれてそこから青い目の子供の伝説が始まるのだろう。

まとめ

 非常に残念というかもったいないというか。設定は単純だが、いくらでも面白くできそうな要素が各所にあったのではないだろうか。

 巫母が語る預言や遠い部族にまで及ぶ伝説をもっとうまく生かして、デレーを伝説の英雄にしてしまうこともできただろうに。

 しかし紀元前1万年に砂漠の真ん中にビラミッドを作ってしまった。